霞ケ浦でブラックバスとともに増えているのが、やはり北米からの移入魚であるブルーギルです。
一九六〇年、米国訪問中の天皇陛下(当時は皇太子)がシカゴのシェッド水族館から十七匹を贈られ、日本の淡水区水産研究所で飼育されたのが最初です。それが多数繁殖し、国内各地の水産試験場に分与され、一部の湖沼にも放流され、ルアー釣りの対象魚として人為的に分布が広がっています。
ブルーギルは、英語で「青えら」の意味で、えらぶたが青味がかっていることから、こう呼ばれています。バス科に属し、産卵や哺育の習性もブラックバスに似ています。口はそれほど大きくないのですが、他の魚の卵、稚魚、底生動物、浮遊動物などあらゆるもの を食べるため、生態系の中ではブラックバス以上に脅威的な存在になっていると、指摘する研究者もいます。
ルアーで釣りあげたら放流せずに、食べたほうがよいと言われ、フライにすれば美味ということです。しかし、ひれが硬く、小骨も多いことから、食べる人は少ないようです。
この魚は日本の淡水魚にない体型と色彩をしているため、観賞用に飼育されることがあります。空気さえ通っていれば、アカムシやイトミミズ、乾燥ミジンコなどをよく食べ、丈夫で飼いやすい魚です。しかし、他の魚と一緒に飼うことができないのは、ブラックバスと同様です。
かすみがうら市水族館・外来魚も多く飼育されている