住まいの文化 |
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建築文化史家 一色史彦 | |
(一)川は流れている | |
英国の名宰相とうたわれたチャーチル氏は「人は家をつくり、家は人をつくる」と言い、名陶工、加藤唐九郎氏は「文化を語る人は素養として建築を学ばねばならない」と言いました。意味相通ずる名言です。 人は有史以来現在に至るまで、いつも社会的にも風土的にも大きな変化の中に身を置きつつ生活を営んできました。そして、これからも、であります。旧と新、安定と変化、動と静。永い時間の経過の中で眺めるならば、そのいずれか一方に固定した生活の歴史は、一個人にしろ、民族あるいは国家にしろ、この地球上のどこにも見出すことはできないのです。住文化の変容ぶりに目を奪われてしまうと、その中にも脈々として流れ続ける一筋の川を見落としてしまいます。その危険性を両氏は見通しているように思われます。 私の住む茨城県南・県西地域はこれから日本の中でも、世界的に見ても興味深い変化が起こるだろうと言われています。かつて私は、研究学園都市建設予定地及びその周辺地域での古民家調査に参加しました。 |
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昭和四十一年のことです。その時の資料を手にしながらこの一文を書いております。 これからのレポートは皆様からのご意見・ご質問を頂きながら、まとめて行きたいと思います。この地域における、現在・過去・未来の住文化について考えてみようではありませんか。 |
*チャーチル (1874-1965) |
*加藤唐九郎 (1897〜1985) 瀬戸黒、志野、黄瀬戸など、桃山陶の復元に情熱をそそぎ、写しを超えた独自の世界を拓いた。近代の陶芸家。 |
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