萩市

1・菊屋家付近
2・明倫館
3・市街中央北部
4・堀内・平安古
   伝建地区
5・大照院
6・東光寺
7・郊外地区

萩市・大照院

霊椿山大照院は、市内中部より南、萩駅より西、約800mの所にある。臨済宗南禅寺派の寺院で、荒廃していたものを、2代藩主綱広が亡父の初代藩主秀就の菩提所とするために、承応3年から明暦2年にかけて再建した。隣接する萩藩主毛利家墓所は、秀就以下2代から12代までの偶数代の藩主と夫人及び一族、秀就に殉死した7藩士の墓石があり、墓前には藩士が寄進した石灯籠が600数基あり、国指定史跡になっている。

 
   大照院鐘楼門(国指定重要文化財)                大照院鐘楼門(裏側)

鐘楼門は寛延3年(1750)の建立。形式は三間一戸、正面に軒唐破風が付く、屋根が上と下にある二重門、二階に鐘がある鐘楼門である。形式的には八脚門であるが扉が正面前列の柱に付く。

 
   大照院本堂(国指定重要文化財)                 大照院経蔵(国指定重要文化財)

大照院本堂は入母屋造の大規模な方丈形式の仏堂で規模が大きく、屋根は鎧の裾の錣のような綴葺き屋根、瓦は桟瓦である。主室は前後に2列に並列した6室からなり正面と左右の3面に広縁を、そして4面に狭屋間として落縁を取り込むなど方丈形式の典型的な近世禅宗本堂建築である。
大照院経蔵は宝暦5年(1755)の建立である。総塗込の土蔵造で、屋根は宝形造桟瓦葺である。正面入口の上は切妻破風で、向かって左側には火燈窓、右側と後方には脇室が外側に張り出して造られている。屋根はいずれも寄棟造桟瓦葺で、両脇に1か所ずつの格子窓が開いている。内部は四半敷瓦の方式を用い、中央に八角の輪蔵を備えている。

 
   萩藩主毛利家墓所(国史跡)                   萩駅から大照院へマップ

萩藩主毛利家の墓所は、大照院隣接地と東光寺隣接地にある。毛利輝元の子の初代藩主秀就は、慶安4年、萩城で没し、天樹院で火葬されたあと歓喜寺に葬られた。2代藩主綱広は、亡父のため、歓喜寺の改修に着手し、秀就の法号大照院に因んで寺名を大照院と改めた。大照院・東光寺の両墓所は、明治初年にそれぞれから分離され、毛利氏の所有となっている。毎年8月13日に行われる「萩・万灯会」の迎え火では、約600基の石灯篭に灯が入り、幽玄の世界が広がる。