萩市中央北部地区
萩城址線のメインストリートのアーケード商店街の北側に、アーケード街程のにぎやかさは無いけれども,狭い通りに面して古めかしい民家の密集した地域で商店が並んでいる。そのうしろには江戸時代の古い町屋のたたずまいが隠されている。常念寺はそのような中にあり、表門は桃山時代の雄大な気風をもった景観を示している。熊谷美術館のある今魚店町(いまうおのたなまち)は風光明媚な菊ガ浜に近く、豪商・熊谷家が店構えを残している。
常念寺
天文元年、開山酉阿、安部家貞(吉見家の家臣)を開基として創建されたという。当初は現在地より北側に位置し、寛文の火災により現在地に移る。輝元築城の際に宿舎にしたといわれ、その縁により表門が寄進されたという。表門は、もともと京都の聚楽第の裏門として建てられたものを輝元が豊臣秀吉から拝領し寛永10年に常念寺に寄進したものという。門の形式は四脚門で、規模はあまり大きくないが、木割は雄大で、豪壮な彫刻に桃山時代の特徴がある。本堂は寛文11年の再建。
常念寺表門(国指定重要文化財) 常念寺本堂
熊谷美術館
熊谷五右衛門家は、初代が専ら米銀調達の御用商人として藩内第一の豪商になり,明和5年に樽屋町から今魚店町に居を移した。現在の主屋は、この当時のものという。熊谷美術館は、昭和40年に、文化資料を保存及び公開することを目的として開館。萩藩の御用商人・熊谷家の蔵を改造した展示室に、熊谷家代々の当主が収集した美術品が展示されている。主屋・離れ・本蔵・宝蔵の4棟が国の重要文化財に指定され、江戸時代の豪商の家構えを知ることができる。
熊谷家(国指定重要文化財) 常念寺周辺マップ
主屋 1768(明和5年) 国指定
離れ座敷 江戸後期 国指定
本蔵 江戸中期 国指定
宝蔵 江戸後期 国指定