萩城址、堀内、平安古地区
堀内は旧萩城三の丸にあたり、毛利輝元が慶長13年に指月山に城を築き、町割をおこなったことに始まる。保存地区は堀内のほぼ全域で、藩の諸役所(御蔵元・御木屋・諸郡御用屋敷・御膳夫所・御徒士所)と、毛利一門をはじめとする大身の武家屋敷が建ち並んでいた。平安古は、旧萩城三の丸を囲む外堀の南に位置する。武士のうち重臣の多くは三の丸である堀内に居住したが、平安古では開墾が進むのに並行して数多くの武士が屋敷地を構えた。国の伝統的建造物群保存地区制度が始まった昭和51年、平安古伝建地区とともに、全国で最初の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、伝統的建造物に特定された。
堀内地区(伝統的建造物群保存地区)
近世城下町の武家屋敷としての地割が今もよく残り、土塀越しに見える夏みかんとともに歴史的風致を形成している。現在も、地区内には永代家老の益田家の物見矢倉など10数棟の武家屋敷が残る。土塀や石垣は約450件を数え、総延長は約3.5kmに及ぶ。地区面積は約55.0ha。
旧厚狭毛利家萩屋敷長屋(国指定重要文化財) 口羽家住宅表門(国指定重要文化財)
旧厚狭毛利家萩屋敷長屋 1856(安政3年)
口羽家住宅表門 江戸後期
平安古(ひやこ)地区(伝統的建造物群保存地区)
保存地区は橋本川沿いにあり、江戸時代の地割りをよく残し、当時の武家の屋敷構えをうかがうことができる。現在でもそれら武家屋敷の主屋、長屋門、長屋、土蔵が、鍵曲(かいまがり)を構成する長い土塀とともに残っており、藩政期の姿をよく留めている。
堀内周辺マップ 鍵曲(かいまがり) 堀内、平安古周辺マップ