山口市・瑠璃光寺、洞春寺
国宝の瑠璃光寺五重塔のある辺は山口市街の北部に当たる。山口県庁もあり、県の中心部であるが静かな場所にある。境内には池があり、池に移る五重塔も美しい。隣は香山公園になっていて、その奥に毛利家墓所がある。明治に入った時の藩主・13代当主毛利敬親が眠る。 瑠璃光寺から少し下ると洞春寺がある。洞春寺の境内の裏山には山口県庁があり、観音堂の屋根の上に望める。
五重塔(国宝) 瑠璃光寺本堂
瑠璃光寺五重塔は大内氏の26代盛見は、兄・義弘の菩提を弔うため、兄の建立した香積寺に五重塔を造営する。大正4年、五重塔解体修理の際、五層目の組物の一つの斗の重ねの面に嘉吉2年(1442)2月と墨書が発見され、五重塔完成時期が判明した。全国に現存する五重塔のうちで10番目に古い。奈良県の法隆寺と京都府の醍醐寺と双び、日本三名塔の一つに数えられ、室町中期における最も秀でた建造物と評されている。
洞春寺山門(国指定重要文化財) 洞春寺鐘楼門(県指定文化財)
洞春寺は毛利元就の菩提寺で、元亀3年に孫の毛利輝元によって安芸高田市に創建された。その後、毛利氏の発展とともに広島市に、関ヶ原の後に萩市、山口市へと移り、明治4年に現在の地に移った。
山門は 応永11年に大内氏第26代盛見の菩提寺として創建された国清寺の山門として建立された。室町時代中期に完成したもので、様式は前後に控え柱のある四脚門で、切妻造、屋根は檜皮葺である。
鐘楼門は山門から参道を直進すると中門に当たる。中門は本堂の正面にあり、鐘楼門はそのわきにある。禅宗の寺院にある本堂脇の玄関の正面になる。建立年代は宝永の火災の後の建立と思われる。様式は四脚楼門、上に鐘がある鐘楼門。
洞春寺中門 瑠璃光寺周辺マップ