登録文化財 一色家住宅主屋
2、明治の地方経済史を語る舞台として

明治維新後の激動の時代、地方経済で活躍した一色氏
 江戸末期を迎え、激動の時代に入り、土浦藩(九万五千石)でも藩の政治
を司る重臣達は、藩士の生活を守る為に色々な活動をしてきた。当時の日本
は、江戸時代の幕藩体制から明治維新を迎え、急激な速度で近代国家の建設
が進められていた。しかし、江戸時代末期からの世情の混乱に加え、明治政
府の財政窮乏などが相まって、特に経済・金融面は混乱の極にあり、貨幣制
度も確立されていなかった。この時期、日本全国各地で国立銀行が設立され
た。そのおりに設立された数は153を数える。それぞれが銀行券(紙幣)
を発行するとともに、現行の銀行と同様な業務を行ったという。     
 土浦藩の執政(家老)一色沖之丞(範疇)は廃藩のため藩士の授産事業と
して中貫地区で農業に従事していた。茨城県庁より国立銀行創立の勧奨を受
け、また禄を失った藩士の財産保護と生活基盤の確率にも役立つと考え、旧
藩士達を説いて資本金10万円をもって、明治10年12月に国立銀行創立
願書を大蔵省に提出、明治11年2月に開業免許を受け、同年9月に土浦町
川口に沖之丞を頭取として、土浦の第五十銀行は設立された。場所は現在の
常陽銀行土浦駅前支店の裏手に当たるところであった。         

 
茨城県教育委員会 登録文化財 一色家住宅主屋

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