列島古建築紀行 第69回

  
写真・文 宮本和義

 

撮影 2005  

古市金屋の町並み 山口県柳井市柳井 ★重要伝統的建造物群保存地区

柳井は古くから節内海交易の要衝として栄えた町である。商圏は藩領に留まらず、瀬戸内海各地から九州一円にまで及んだ。柳井は「甘露醤油」の発祥地で集落内にはその蔵元もある。古市金屋(ふるいちかなや)の白壁の町並みは、柳井津で最も早く開かれた旧町の西半分に当たり、東西方向の本町通りの両側に続く約200mの町並みと、このほぼ中央から南側の柳井川に通じる掛屋小路から成る。家並みは江戸時代に再三起きた火災のため、その後は防火土蔵造とした商家群である。火災が起きた場合は一階木製部分は漆喰土戸で閉じられる。
柳井市町並み資料館(旧周防銀行本店) 竣工/明治40年(1907) 設計/佐藤節雄 ★国登録文化財 写真下右
 一階は資料館、二階は柳井出身の流行歌歌手・松島詩子記念館。
古市金屋の町並み (写真上)
国森家住宅 竣工/18世紀後半  建物は桁行16.5m 梁間8.5m 
★国重文 国森家は豪商。   写真下左
 柳井市町並み資料館(旧周防銀行本店)下右
 竣工/明治40年(1907) ★国登録文化財 
   
2023.11.20