列島古建築紀行 第50回

  
写真・文 宮本和義

 

撮影 2021.11  

藤岡家住宅(うちのの館) 奈良県五條市近内町 ★国登録文化財

藤岡家は両替商、薬種小、紺屋などを営んだ江戸時代から続いた商家である。当初は傘屋だったといわれ地元では「かさ屋」と呼ばれていた。住宅は江戸~明治期に建った建物10棟が現存している。母屋は天保3年(1832)竣工で味噌、醤油を寝かせた「味噌部屋」なども残る。大広間、書斎、米倉、藥医門は明治後期の竣工である。場所は五條市の郊外で、集落内の細い道をしばらく登った金剛山(標高1125m)の山麓にある。歌人・藤岡玉骨(ふじおか ぎょっこつ)の生家でもある。藏の鯉の鏝絵が楽しい。

 
2022.03.22