中山道の奈良井宿は、奈良井千軒とも呼ばれた鳥居峠下の大きな宿場町である。奈良井宿には上問屋、下問屋の二軒の問屋があり上問屋は手塚家、下問屋は旅籠伊勢屋が半月交代で問屋職を担った。現在の主屋は桁行12.4m、梁間10.9m。主屋の他に座敷棟が設けられているのが大きな特徴である。問屋職は役人との接触が多いため格式のある座敷棟を必要としたためである。