列島古建築紀行 第7回

  
写真・文 宮本和義
  撮影:2018.10

山里の水板倉  秋田県大仙市神成  竣工/明治42年(1909) ★町指定文化財

今日では全国的にも珍しい倉であろう。深さ1mの池の中に造られた倉は、山里の農家の裏手にある。入口の橋は普段は外して(母屋で管理)ある。米泥棒や穀物を狙う小動物を防ぎ、火災の時は衣類などを入れたという。水と木材の長所を巧みに活かした水板倉は、長い農家の生活の中から生まれた籾米などの貯蔵用に造られた高床式の倉である。現役であることが素晴しい。夏は敷板を何枚か外して涼風を取り入れ、室温の調節をする。緑野にたつ美しい姿は魅力的であり、そのデザインも注目である。必ず農家に必ず挨拶して許可を得て見ることが条件。 


 

 
2019.11.1