古建築研究会は活動を始めてから今年で10年目になります。当 会は街角や村の外れにある寺院や神社の建築を研究しています。 何気なく通り過ぎる町並みや村々の集落の木立の中ににある神社や 寺院は意外に古い歴史を持っています(ほとんどの神社や寺院の創 建年代は奈良・平安と云われてる)。しかし、その歴史の中で建物 の建立年代は以外と知られていません。関東地方の建造物の歴史を 調べてみると室町時代以降の建立がほとんどであります。 それでも五百年から二百年の星霜を重ねています。茨城県におい ても江戸時代に建立された建築は社寺建築で五千棟、民家も三千棟 はあると思われます。しかし、その古建築の多くは経年の風雨によ って傷み・破損しています。当研究会は建物の歴史を調査し、その 建物に関わる文化的、民俗学的な価値が評価されることによって、 保存の一助になれば、有意義な事と考えています。 古建築研究会は8年間の会員達の拓本採取したものを纏めてこの 度、「茨城県古社寺建築細部様式拓本集」として一冊の本を制作し ました。この拓本集を見ながら古社寺を訪れれば誰でも建立年代が 推定できるようになります。私たちは多くの人に古建築を見て勉強 する楽しさを、そして、建築を守り・保存してきた地元の人たちの 血と汗の歴史を後世に伝えて行きたいと思っています。 平成14年1月1日 |