平成16年度前期・後期 古建築研究会の活動 |
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平成15年3月15日(月) 八郷町社寺調査・如来寺 今日は役場のすぐ近くにある浄土真宗・如来寺を調査した。如来寺の本堂は鉾田町にある同じ浄土真宗・無量寿寺本堂の細部によく似ている。無量寿寺本堂は元禄期の建立と伝えられ、この本堂も堂時期に同じ大工棟梁に建立されたものと思われる。ご住職の話によると古い記録は少なく、文化文政の頃に建てられたと伝えられるが様式から見られる絵様は元禄頃の形式である。正面入り口の虹梁や、向拝の虹梁の絵様は文化文政の様式で、この頃に大幅な改造がされたものと思われる。山門は鐘楼門で二階に上がれるようになっている。建立年代は江戸後期か。調査員は一色史彦先生、教育委員会から越戸さん、研究会から松浦、渡辺、東京から参加してくれた田部井さんでした。今回は午前中だけの調査でしたのでお昼は八郷町のお蕎麦屋に会員と一色先生で行き、昼食を取った。 |
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平成15年3月9日(火) 定例会 社寺調査・つくば市、東福寺 東福寺はつくば市松塚にあります。寺島誠斎著の土浦史誌のよると、元は尼寺であったが、江戸時代の初期に中根より成就房を移し、東福寺としたとある。その後、江戸時代中期に長谷寺の管長になった恵海僧正が正徳期に中興する。恵海僧正が隠居し、その弟子達が恵海僧正の事蹟を書いた僧正伝が残っている。その記録によるとこの本堂は正徳2年に建てられ、楼門は享保17年とある。栃木県茂木町千本の大工・永野万衛門がこの地域で広く活躍しており、正徳元年に栄の八坂神社を造営し、古来の鹿島神社本殿も元禄8年に永野万衛門により造営されている。東福寺の本堂や楼門の造営に関わっているかが興味の持たれるところである。様式の細部を見るところではもう少し時代が下がるようにも感じられる。今回の参加者は松浦、渡辺でした。拓本の採取の後、結城市の社寺建築を見学しました。特に結城の東持寺では梅が満開で香しい匂いが漂いすばらしかった。 |
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平成15年2月12日(木) 八郷町社寺調査・真光寺、長楽寺 この日は午前中に部原の真光寺阿弥陀堂を調査しました。この堂は地元の方が維持しているため、奇麗になっていました。内部の内陣部分は龍の尾垂木が使われ、かなり豪華である。管理をされている方が棟札を出していただき、建立年代も享保16年と判り、また彫物師も府中(石岡市)の谷口藤九郎と判明しました。大工も栃木県茂木町千本の梅沢六郎兵衛と書かれていました。午後は狢内の長楽寺本堂を調査しました。この堂も地元の人が良く管理し、奇麗に保存されていました。早速調査しました所、堂内の宮殿は室町後期の様式を示していて、内部を調査しました所、一色史彦先生が天正10年と云う墨書を発見しました。堂そのものはしっかりした構造から正徳から享保頃の建築と思われます。調査員は一色史彦先生、教育委員会から越戸さん、研究会から松浦、今井、東京から参加してくれた田部井さんでした。 |
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平成16年2月10日(火) 定例会 真壁町・町並み見学 古建築研究会は2月10日の定例会は真壁町に行ってきました。真壁町には何回も行っていますが今回は吃驚しました。茨城県内では真壁町が登録文化財を積極的に推進していて、現在50件80棟くらいが指定されている。この日は登録文化財を見にいったのだが真壁町では「ひな祭り巡り」を開催していて、町内の商店(約50軒)が自宅に有る「おひな様」を店頭に飾っていた。今回はそのような行事をやっていることは知らなかったのであるが、新聞やニュースで情報が出ていたらしく、平日にも関わらず沢山の人が出ていました。朝、来た時にはまだ空いていた駐車場も帰る時には満車になっていた。帰路に県指定の文化財の八柱神社に寄って来た。今回の参加者は今井、渡辺、冨島、松浦でした。 |
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江戸時代のおひな様 |
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定例会 平成16年2月1日(日) 臨時古建築見学・那珂湊、大洗 狩野家の茅葺き風景を見たいと思い出かけましたがこの日は茅師さんが休日で作業現場には誰も居なかった。その後、那珂湊に町並み見学に行くことにした。茨城交通の那珂湊駅で町並みマップを貰い、木内家の土蔵であった「ふるさと懐古館」を見学した。懐古館の中の巨大な柱と梁には驚かされる。下から見上げる垂木も普通の家の柱くらいの太さである。車を懐古館に置き、歩いて町並みを見学した。那珂湊の市内は昭和26年の大火によりほとんどが焼失したが三分の一は残り、明治初期の建築がかなり建っている。那珂湊の帰りに大洗町の願入寺に寄った。願入寺は親鸞の孫である如信が弘安2(1279)年によって作られた。大網(白河)の奥の坊を三代空如の時に願入寺と改称した。その由緒により水戸光圀がこの地に復興してたもので、光圀作と称される如信上人像が伝えられてる。本堂は幕末の元治甲子の変(1864)の兵火に逢い、昭和37(1962)年に再建された。また、石岡市に有った照光寺本堂が移築されている。山門は元禄10年(1697)の建築で大正10年に移築された。元は尾張徳川家建長寺山門(名古屋に資料有り)である。今回の参加者は今井、松浦でした。 |
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願入寺山門 |
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平成16年1月27日(火) 八郷町社寺調査・西光院、太子堂 この日は関東の清水と云われる八郷町吉生の西光院本堂を調査した。山号は峰寺山西光院。寺伝では、大同二年(807)徳一大師の開創。徳一が祈念した岩石を祀り、馬頭観音としたと伝えられる。鎌倉時代、一時真言宗に変わったが、その後天台宗に改められる。慶安年間(1648〜52)東叡山の支配となる。安永六年(1777)に焼失し、寛政三年(1791)に再建される。本堂は崖に臨んで柱を組み上げた舞台があり、八郷盆地を一望できる。欄間彫刻の背面墨書により、「施主岡野佐治右衛門寛政五発巳年三月十八日」、図工・当村 長谷川流理仲堂、彫工・当国府中産 嶋村流伊三郎、と彫物師の名前も判明している。午後から調査した太子堂は西光院の麓にあり、細部の様式から常陸の宮大工・桜井瀬兵衛一門の作治であることが判る。建立年代は不明であるが江戸中期の建築と思われる。調査員は一色史彦先生、教育委員会から吉水、越戸さん、研究会から松浦、渡辺でした。 |
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定例会 平成16年10月16日(金) 八郷町社寺調査・華造院、北向観音 この日の八郷町は前日までの強風がなくなり、最高の調査日和になりました。午前中は加生野の華造院を調査しました。この本堂は小さいが容姿が良く、軒の線も美しい、組物は舟肘木で質素では有るが纏まっている。今日の調査では早速、貴重な資料が発見できました。本堂の中に有る宮殿に棟札が有り、この宮殿は寛文3年と云う江戸初期の製作であり、本堂もそれに応じた江戸中期の建築であることが判りました。午後に調査しました北向観音堂は最近、地元の有志により募金が集められ、奇麗に修復されていました。この堂の中にも数枚の棟札が有り、観音堂の建立年は宝暦8年、大工も栃木県茂木市の千本の大工であることが判明しました。このような資料により、この地方の古建築に関わる人が判り、信仰や、地域文化に貢献した人々が判ること価値があると思っています。調査員は一色史彦先生、教育委員会から吉水、越戸さん、研究会から松浦、渡辺でした。 |
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平成16年1月13日 定例会 柏市布施の東海寺(布施弁天)初詣 平成16年の初詣は柏市布施の東海寺に行ってきました。茨城県から利根川を渡る守谷の有料道路橋の出口から左側に浮島のように見える小高い所が布施弁天である。弁天様が置かれている場所は多くは廻りに池が有り、池の中の小島に祀られている場合が多い。上野の不忍池の弁天様も同じようになっている。橋から遠望するとかつては利根川の湿地地帯の中に浮かび上がるような位置であったのであろう。布施弁天は浅草・江ノ島と共に、関東三弁天の一つとして親しまれている。利根川を見下ろす高台に、本堂、三重塔、楼門などがあります。その由緒は大同2年(807年)に嵯峨天皇の勅願により、空海が開基と伝えられている。現在の本堂は享保2年(1717年)、本堂は総朱塗り、入母屋造りで、正面には千鳥破風がつけられ、屋根は銅板葺きである。柏市の文化財に指定されています。楼門は文化10年(1810)の建立で大工は布施の籐十郎、彫り物は後藤常善鏨之(文化7年(1807))の銘が有る。三重塔は昭和48年(1973)に建立されたものである。その他に茨城県谷田部の伊賀七が設計した円形の鐘楼(文化15年(1815))が有る。今回の参加者は今井、渡辺、冨島、日向、松浦でした。 |
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平成15年度の実績 |
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平成15年1月14日(火)初詣 八郷町・西光院 平成15年2月11日(火)定例会 拓本採集 銚子市・常灯寺 平成15年3月12日(火)定例会 拓本採集 つくば市・性山寺 平成15年3月24日 第22回 古建築見学会 西金砂神社の大祭礼の見学 平成15年4月8日(火)総会 土浦石岡地方社会教育センター 平成15年5月13日(火)定例会 NHKテレビの録画撮り 岩瀬町・月山寺にて 平成15年5月22日(木) NHKテレビの生中継 八郷町・善光寺本堂前にて 平成15年6月10日(木) 常北町小松寺を見学 平成15年7月8日(火) 栃木県二宮町と真岡市を見学 平成15年8月5日(火) 埼玉県川越市喜多院を見学 平成15年8月12日(火) 拓本の整理と見学会の資料作成 平成15年9月9、10日 第23回 古建築見学会 第5回国宝建造物を巡る旅 「長野県の国宝を見る・松本城、大法寺三重塔、安楽寺八角三重塔、善光寺大本堂」 平成15年10月14日(火) 千葉県佐倉市と成田市を見学 平成15年11月9日(日) 「ふれあいまつり」に「鉄眼と一切経」の映画会を開催 平成15年11月11日(火) 七会村徳蔵寺、緒川村の江畔寺 平成15年11月15日(土) 「霞ヶ浦水運の歴史」講演と霞ヶ浦クルージング 平成15年12月9日(火) 土浦市真鍋の「一色園」での納会 |
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