015・祭りと祭礼 |
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民俗学者・柳田國男は、「まつり」を祭りと祭礼とに区分して次のように考えました。 祭りは、祭事を営む人である施主や氏子と、司る人である司祭や神主だけによって行われる儀礼です。冠婚葬祭、祈願祭、地鎮祭などの儀式は、個人的な祭りとなります。 一方、当事者と直接かかわりのない見物人が参加するものを祭礼と呼びました。地域の年中行事や鎮守の祭りなどは祭礼であり、それらは次第に祭礼としての色彩を濃くしていきます。見物人の視線を意識した祭礼は、より美しく華やかなものへと変化していきました。 これによれば、「まつり」 は儀式である祭事と、見物人を意識した祭礼とに分けられます。「石岡のおまつり」の初日・神幸祭の神事は、午後2時まで総社宮境内で行われる一連の儀式であり、祭礼はそれ以後の市内で繰り広げられるパレードです。祭礼は、花火を合図に出発した供奉行列が総社宮の鳥居から出たときから始まります。 |
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祭礼研究の軌跡 中村孚美と米山俊直の祭礼論を事例として 著 谷部真吾 |